妖怪クラリネット野郎
※ただの悪口です。苦手な人は読まない方がいいぞ!
急に思い出したのでネタにしてやることした。
高校に入りたての頃、友達から「バイト先に麻雀できる人いるから3人でやろうぜ!」と誘われた。
ネット対戦しか経験がなかったし、面白そうと思って行くことにした。それがまさかこんなことになろうとは...
集合場所に行くと、ヤツはいた。
見た目は普通だが、なんか手にクラリネットを持っていた。なんで持ち歩いてるんだろうと思いつつ、麻雀をするため3人でカラオケに行った。
最初に曲を入れたのはヤツだった。曲は「魔王」。そう、マイファーザーマイファーザーで有名なあの「魔王」である。
クラシックが好きなのか?と思いつつスルーしていたら、なんと突然手に持っていたクラリネットで演奏を始めたのだ!
まあこれが大して上手くない。いや、当然素人の俺よりは遥かに上手い(そもそも俺は吹き方が分からない)のだけど、なんというか、初心者が部活で数年やったんだろうなぁという感じだった。
演奏が終わるとヤツは「どうだった?」と聞いてきた。どうだった?ではない。勝手に演奏しといてなんで演奏家気分なんだ。
褒めてほしいのが凄く伝わってきたので、俺は敢えて褒めなかった。「懐かしいなこの曲。授業で聞いたわ〜」みたいなことを言ったと思う。
しかしヤツは折れなかった。その後もクラリネットの演奏を続け、終わるたびに褒めてもらおうとする。ガキかお前は。
「学校で一番クラリネットが上手い」みたいなことを言っていた。聞いてもいないのに。
いや、学校で一番ってそれ競争相手何人だよ。3人中1番とかじゃないのか?そんなこと言ったら、俺だってクラスで一番数学ができるし、クラスで一番ポケモンが強いし、クラスで三番目くらいに泳ぐのが速いけど?
中学の友達に、べらぼうに頭が良くて馬鹿みたいに運動ができてバイオリンがクソ上手いやつがいた。
だがそいつはバイオリンを持ち歩いてなどいなかった。そんなことをしなくてもそいつの凄さはみんな知っていた。
一方その頃、なんだこの矮小なクラリネット野郎は。キモすぎる。
なにより腹が立つのは、麻雀のやる気がないことである。麻雀してるときもひたすらクラリネットを吹いている。意味がわからない。こいつは何しにきたんだ?
そしてその日は終わった。友達の友達だから無下に扱えないこともあって、今までで一番地獄な一日だった。
結局俺はその日一度もそいつの演奏を褒めなかった。
能ある鷹は爪を隠す、いい言葉である。武勇伝ばかり話すおじいちゃんにはなりたくないね